開催規模
- 世界12カ国
13都市開催 - アメリカ、カナダ、フランス、ドイツ、日本等12カ国13都市での予選大会から有望チームをソーシング
深圳市政府 × ReGACY Innovation Group
INNOVATION ENTREPRENEURSHIP
INTERNATIONAL COMPETITION
「深センイノベーションピッチ大会2024 日本大会」の開催が決定しました!本大会は、深セン市主催「深センイノベーションピッチ大会」の日本予選大会にあたります。
深センイノベーション大会は、海外のイノベーションプロジェクトと中国のハイエンド産業をつなげ、新たな価値創出をすることを目的としています。受賞者へは、最高で合計約3,500万円の賞金があるほか、中国進出を目指す受賞者へは、深セン市より販路/共同開発/協業先開拓支援、政策・資金支援、無料起業スペース等の現地支援策があります。
「新世代IT」、「デジタル&ファッション」、「先端設備製造」、「グリーン・脱炭素」、「新材料」、「バイオ・医薬・ヘルスケア」、「海洋経済」の7つの領域で、スタートアップや起業家、研究チームや個人を幅広く募集しています※。
※フェーズは問いません。ぜひ奮ってご応募ください!
OPERATION SCHEME
ハードウェアのシリコンバレーである深セン市の政府と、その外郭団体である深セン市科技サービス業協会と連携し、海外と連携したインキュベーションを促進します
OPERATION SCHEME
THEME
EXAMINATION CRITERIA
HUMAN
RESOURCES
学術レベルとイノベーション能力
国際的な一流企業、研究機関での経歴
事業開発能力、プロダクト開発及び商業化経験
PROJECT
技術とプロダクト / ビジネスモデルと実施計画
業界と市場 / 深センの産業とのマッチ度合い / 財務状況
MERIT
200件以上の大手企業向けイノベーション支援実績を有する、ReGACY Innovation Groupから、過去10年間の大手企業向けイノベーション支援を通して培ったネットワークを通して、大手企業とのマッチング等を支援
ABOUT SHENZHEN
INTERVIEW
MOVIE
SCHEDULE
※深セン大会進出者の、航空券・宿泊代等、深セン大会参加にあたっての費用は主催者の深セン市が負担します(1チーム2名まで)
BENEFITS
JUDGE
石井 芳明
中村 良次
齋藤 健太郎
胡間 修二
亀山 直明
泉 浩之
増山 真輝人
何 鋭
魯 云
任 恵峰
銭 学鵬
竇 毅
傅 浩丰
GUIDLINE
FAQ
以下に該当する、技術やビジネスアイデア・プランを持つ個人またはチームが対象です。
CONTACT
世界一のハードウェアサプライチェーンをもつと言われている中国深セン市には、毎年世界中から多種多様な企業が訪れ、新しい拠点やパートナーシップを構築しています。
一方で日本のスタートアップからすると、深センの魅力は理解しているものの、わざわざ現地へ進出する必要性についてはよく理解できていない方も多いのではないでしょうか。
今回は深センでのピッチコンテスト参加をきっかけに、現地法人設立、中国大手メーカーとの戦略提携などを進めている株式会社エアロネクストの代表取締役CEOである田路圭輔さんと、中国現地法人「天次科技(深圳)有限公司」の総経理である川ノ上和文さんにお話を伺い、中国・深センへの進出が、自社事業の成長をどうドライブさせたのか、インタビューしました。
田路さん:
我々の事業内容は、産業用ドローンの機体構造技術の研究開発、特許ポートフォリオ開発及びライセンスビジネスです。
現在は、産業用ドローンの中でも物流がエアロネクスト独自技術の有効性を生かせる最適な用途であることとドローン物流が成長市場でもあることから、物流ドローンの開発にフォーカスし、様々な企業と連携を進めています。
産業用ドローン市場について、今は中国が先行していますが、機体自体はまだ標準化されていないので、弊社として産業用ドローンの業界のリーダーになるために、中国と連携しつつ、日本で取り組みを進めています。
ドローンの機体自体に関しては課題が山積みの領域です。バッテリー、耐久性、スピードなど、まだ難があると思っています。実はドローンの機体構造は30年間進化していないので、ハード自体をアップデートしていく必要あると思っています。
ドローン産業はよりセンシティブになっていますが、中国の研究開発環境が魅力的なのは変わらないので、中国での新しい戦略をつくっていけたら、と思っています。コロナの影響もあり現地にいない中で次の一手をどう打つかは現在、市場調査を進めながら模索をしています。
川ノ上さん:
2018年に開催された「The 3rd Shenzhen International UAV EXPO 2018」に、深センの動向・情報収集をするために参加しました。それがエアロネクストとして初めての深センとの接点です。その後、同年8月に渋谷で開催された深セン市南山区主催のピッチ大会の日本予選で優勝し、11月の決勝大会で総合第3位となりました。
その後は昨年5月に深セン法人を設立し、現地のドローンメーカーと連携や、研究開発/情報収集ために現地の大学と共同ラボを設立しました。
田路さん:
深センに非常にポテンシャルを感じたからです。実際に深センでピッチしてみたところ、現地企業からぜひ深センで実装してほしいといった声もあり、反応はすごくよかったです。今がチャンスだと思い深センに拠点を置いて、プロトタイプをつくっていきました。そしてつくったプロトタイプをまずは中国深センで開催される「The 4th Shenzhen International UAV EXPO 2019」に出展して披露し、そこからパートナーを見つけようと考えていました。
田路さん:
中国に進出したのは市場で勝ちたいというよりも機体を飛ばせる環境がほしかったからです。かねてよりトライアンドエラーができる環境が必要だと感じていました。
中国はドローンの研究において世界の中でもトップレベルで、開発&実装のスピードに優れている環境です。試作をつくるレベルだと日本の3倍、5倍のスピードで開発可能です。これは中国には、開発したドローンをその場で飛ばすことができる環境があるからです。
日本だと研究開発拠点とテストフィールドが離れすぎているため、例えば合計10時間のテストフライトをするとなると、開発全体のスケジュールは数ヶ月かかってしまいます。
日本では1機あたり数百時間飛ばせたら良いと言われているのに対して、中国では全ての機体で1万時間程度飛ばしているのが普通で、機体の飛行安定性は日本に比べて圧倒的だと思っています。
もちろんセキュリティや安全性の問題ではドローンはまだセンシティブな部分が多いですが、中国から学べることはまだまだ多いと思いますし、ピッチへの出場は中国の魅力を知るきっかけになりました。
ただ要素技術では日本も負けていないので、中国のサプライチェーンと開発環境と組み合わせることで、より高性能なドローンが作れるのではないかと感じています。
今後はまだ実現できてないユースケースを、現地で設立したラボやその他現地パートナーのネットワークを活用しながら見つけていきたいと思います。
川ノ上さん:
深センは製造メーカーやエンジニア、面白いスタートアップが集積している点がおもしろいと思います。
そのなかでも特に街全体がプロトタイプシティである点が1番の魅力ですね。スピード感や、プロトタイプを積極的試すなど、街に新しいものを受け入れる姿勢があること、製品の入れ替わりの激しさは日本にはない特徴です。
何よりも、とりあえずやってみるという姿勢が顕著で、この感覚を知らないままで事業を行うことはもったいないと思います。
田路さん:
私自身、特許や知的財産に関するビジネスを行っていた経験を踏まえて申し上げますと、技術が流通していくうえで模倣されることは悪いことばかりではないと思っています。新しい産業において重要なのは、技術が広がることで市場が拡大することだと思っています。
特許は守るという側面だけではなく、流通スピードを高めるという側面も必要です。そういった意味では、特許をどう持つかも重要な観点です。単に特許を一つだけ持っているのではなく、関連する特許をいくつか取得してポートフォリオ化していくことが大事です。そういう意味では中国の方が知財の取り組みは進んでおり、権利に関する意識は高いと思います。
川ノ上さん: 深セン・中国という環境をどう捉えるかによって変わりますが、単にプロトづくりを目的に深センに行くのはなく、情報と人材が集まるという深センの強みを活かして、中国という環境を、自社の事業戦略をドライブさせる上でどのように活用できるか、そのために必要なステップは何か、という仮説を持つことが重要だと考えています。 弊社でいうと、ドローン産業の成熟度合いという観点でフラットにグローバル市場を捉えた上で、最も成熟している中国への進出を決め、情報収集及び発信をするため、展示会を含め様々な現地イベントに参加し、仮説の検証を行っていきました。
田路さん:
川ノ上のいう通りで、市場については全世界をフラットに見て、中国をどういうポジションで考えるのかが大事だと思っています。
日本のスタートアップは中国でどうやって勝つのかを考えるより、深センを“ショーケース”として使い、世界に自社のテクノロジーをアピールする、という目線が大切だと思います。
川ノ上さん:
米中の対立が高まる中で戦略構築の難易度は上がっていますが、中国の動向・情報を把握することはこれまで以上に重要になってくると思います。グローバルでプレゼンスを発揮するのは米中だと思っているので、中国のことを知らずに戦略をつくることは機会損失に繋がる可能性があります。
中国の市場に合うか合わないかはやってみないとわからないので、まずはどのような軸で中国と接するのかを判断してもらうのが良いかと思います。
ピッチコンテストへの参加はそういった軸を決めるのに適しており、パートナー形成や現地の雰囲気を感じることができる良い機会になるのかと思っています。
深センでは大規模なイベントが頻繁に開催されていることもあり、情報収集を兼ねて深センに訪れています。また、最先端技術を含んだハードウェアサプライーチェーンが整っていることから、弊社ハードウェア製品のサプライヤー候補も同時に探索しています。
よく言われるように世界最速で発展している街だと思います。毎年行くたびに街の風景が変わっています。一部では、地域一帯にスタートアップ支援のための施設があり、日本と比べ、規模感・スケール・スピードが段違いです。深セン市内の区同士で企業を誘致するために様々な支援を用意し、競争している状態です(笑)。例えば、電気自動車のみしかその地域に入ることができない施策を打ち出すなどです。このようなトップダウンでの都市政策がイノベーション創出を後押ししているのではないかと思います。
深センには清華大学のような有名大学もキャンパスを設けるなど、そこで学ぶ学生や研究者の数も多いです。また同時にハードウェア企業も多く、資金援助を圧倒的に受けやすい環境が整っています。具体的には、ハードウェアサプライチェーンが整っているため1つから製品化が可能です。研究開発を社会実装する環境が整っているため、研究が進みやすい環境だと思います。
中国マーケットに対して魅力を感じており、中国でのネットワーク構築のために参加しました。一方で、実際にはマーケットを検討する上では、中国でのITサービス許認可やそれにともなう現地法人の設立、もしくはパートナー探しといったハードルがありました。
消費地としてのメリットが大きいですね。市場規模の大きさももちろんですが、例えば上海ですと我々のターゲットである富裕層が多いのが魅力です。
日本の大学発スタートアップ、特にテクノロジー色の強い企業はピッチコンテストで披露されるようなものとは真逆の発表をする人が多いと思っています。発表するときはビジネスサイドの視点、例えば収益性といった観点を意識するのが大事だと思います。 例えば我々でいうとAHB上海本選の際は、審査員の属性に合わせてスライドを変えました。
研究者についても同じだと思います。特にオーディエンスが投資家目線の場合、ただ研究報告をするのではなく、ビジネスサイドの視点を持った人に入ってもらって、研究者と投資家の間を埋めることが必要だと思っています。
まずネットワークだと思います。初期のスタートアップはネットワークを持っていないとできないことがたくさんあります。ピッチコンテストに参加することで、ネットワークを作ってチャンスを広げていくことができるのではないかと思います。 またビジネスモデルのブラシュアップとしても、ビジネス視点をもって端的に伝える訓練としてもとても良い機会となるのではないかと思います。